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PETについて

PETとは?

PETによって、1回20分前後の撮影で全身の『がん』の存在を探し出すことが可能になりました。
また同時に、『がん』の手術後の患者さんの再発や転移を、ごく早期に見つけ出すことにも役立ちます。
当センターでは、PETと国内最新鋭の16スライスCTを組み合わせた『PET-CT』を導入することで、1cm以下の組織解像力を強化することが可能になりました。

PET・・・陽電子断層撮影法(Positron Emission Tomography)

体内を特殊なカメラで映像化する最新の診断方法です。従来の診断と違い、細胞の活動状況を診ることができます。たとえば、がんを治癒するには早期発見がもっとも重要ですが、PETを用いると、一回の検査で全身のがんが発見されるようになりました。

従来の腫瘍の形を見るのとは原理的に異なり、腫瘍の機能を診ます。がん細胞は正常細胞より活動性が高いため、その違いが判別できるのです。

PET-CTの有用性

『がん』の早期発見に有効なのはもちろん、その『がん』の性質判定にも役立ちます。 受診者にとっては、一回の受診で全身の検査ができ、いたみや不快感のない楽な検査です。当院では16スライスCTを併施することで機能的診断と5mm以上の画像的診断も同時に実施できます。

■実際に発見される『がん』のようす

三次元再構成を行うことにより存在診断だけでなく周辺臓器との位置的関係、つまり画像診断もできます。

上行結腸がん

PET-CTの画面で見るとこのように写し出され、左側中央に『がん』を確認することができる(青い部分)と同時に原発巣の大きさ、血管や周辺臓器との関係を診ることにより、手術の適応と治療指針が得られる。

膵がんリンパ節転移

PET-CTの画面で見ると三次元処理されるので、転移している数だけでなく深さや大きさまで確実に評価することができる。
PET検査の有用な利用法

PET検査後

病気の早期発見 病期を診断
適切な治療方法の選択 病巣の大きさ診断

病気治療中

治療効果の確認 現在の治療方法の判定

病気治癒後

経過観察再発・転移の早期発見

注意)悪性腫瘍によっては撮像集積しにくい種類もありますので、主治医の先生にもよくご相談ください

PET-CTの必要と安全性

以下の検査につきましては健康保険の適応を受けることができます。
『がん』が体内にあるのかどうかを診させていただく場合は『健康診断』となりますので、健診センターでの自費健診になります

■PET検査の保険適応疾患

てんかん 難治性で外科手術が必要なときの治療範囲・部位の確定が必要なとき
虚血性心疾患 心筋梗塞になったとき、心筋の予備能力を評価して治療方針を決定するとき
乳がん、肺がん、大腸がん、頭頚部がん、膵がん 病理診断で確かな診断ができなかったり、再発や転移が不確実なとき
悪性リンパ腫、原発不明がん、悪性黒色腫 (転移性肝がん) 従来の検査で再発や転移が確定できない、また生検・腫瘍マーカーなどで転移巣はわかっているが原発巣が不明なとき

■PET検査の安全性について

PET検査には放射性同位元素を使用します。PET検査を1回受けますと、およそ2.2mSv (ミリシーベルト)の、わずかですが放射線被ばくがあります。これは、人が地球上で普通に暮らしていて、大地からの放射線や宇宙線、体内にある放射性元素によって被ばくする平均的な被ばく線量である数値とほぼ同じ量です(下図参照)。2.2mSvの量で急性の放射線障害が起きる可能性はいっさいありません。また、将来のがんの発生などの心配もいりません。